日頃オフィスの使い勝手がよくないと感じているなら、思い切ってレイアウトを変更してみてはいかがでしょうか。
少し変えただけでも不満が解消されるかもしれません。
オフィス環境は何もしなければいつまでもそのままです。不満を感じたことを改善のきっかけにしましょう。
この記事では、オフィスレイアウト変更をスムーズに進めるための手順と注意点を紹介します。
オフィスレイアウトを変更するといっても、パーテーションやオフィス家具を適当に動かしたのではうまくいきません。きちんと計画を立てて、効果的に移動させましょう。
せっかく時間と労力を使って物を動かすのです。
本番は1回だけで十分でしょう。何度もレイアウトをやり直したのでは時間が無駄になります。
大がかりに物を動かす前に、なぜこれまで使い勝手が悪かったのか、どこに問題があったのかをしっかり洗い出すことが重要です。
現状から問題を洗い出し、何が不満の原因になっているのか、しっかり分析することが、オフィスレイアウトを改善するためには不可欠です。遠回りしているように感じられても、実は近道といえます。
では、オフィス内の課題をあぶり出すためにどうしたらよいのでしょうか。
まずは誰が何のために使う空間なのかという点をよく考えてみることが大事です。
何人で利用する空間なのか、何の目的で使用する場所なのか。使用する人数や使用目的がはっきりしてくれば、現状の問題点が見えてくるでしょう。
使い勝手が悪いのは、人数に対して十分な広さがないためかもしれません。
一般的に、1人当たりの幅1200mm×縦500mm以上のスペースが必要だといいます。
部屋の広さは十分なのに、狭苦しく感じるとしたら、通路が狭いことや導線が悪いことが原因かもしれません。
現状の人数に合わせればよいのか、今後人数が増える予定があるのかという点も大事です。
オフィスレイアウトの変更は、当然ながら、課題がはっきりしただけで終わりではありません。
今度は、ここまでに抽出したさまざまな課題を、どのようにすれば問題解決に結びつけられるのかを考える番です。
レイアウトを変えたときにどのようなことが起こり得るのかを予測しましょう。実際にレイアウトを変えてみてから「やはりダメだったか」では済まされません。
レイアウト変更には時間も労力もお金もかかるということをきちんと理解しましょう。事前に予測できることは、条件を変えて多方面からシミュレーションしておくことが大事です。
たとえば、どのくらいの期間そのレイアウトを使うかを考えてみましょう。期間が短ければ、多少奇抜なデザインでも取り入れてみようと思えるかもしれません。
短期間でまた組み替えることになるなら、撤去や組み換えがしやすい部材を選んで使用することも必要でしょう。
新しいレイアウトにしたとき、廊下や他の部署の動きが目に入りやすくなるなら、適度な目隠しが必要です。
どうすれば、空間を広く見せたまま目隠しできるかを考えなければなりません。
せっかくレイアウトを変えたのに、新たな問題が起こってしまうということのないようにしましょう。
一部の人の意見だけでオフィスレイアウトを確定してしまうと、また新たな不満が生まれてしまい、問題解決には至りません。
実際にオフィスを使う人の意見に耳をよく傾けましょう。
幅広い意見を上手に調整してデザインに活かすことが、使いやすいオフィスレイアウトのコツです。
レイアウト設計のコツについての詳細は「レイアウトの基本、コツ」記事を御覧ください。
オフィスをどのようにレイアウトするかが決まったら、今度は必要なタスクの洗い出しをしたうえでスケジュール調整をします。
スケジュールの調整をあらかじめしっかりしておかないと、作業の遅れなどで業務に支障が出かねません。
オフィスのレイアウト変更は、やらなければならないことが盛りだくさんです。
業者の選定と手配、見積もりの依頼、仮スペースの確保と移動、内装工事の手配、什器や備品の準備と搬入など変更当日までの手順がたくさんあります。
抜けや漏れのないようにタスクを洗い出し、立てたスケジュールは社内で共有するようにしましょう。
部署の移動などで社内協力を求める点も少なくありません。スケジュールをスムーズにこなしていくためには、社内調整に時間をかけることも大事でしょう。
レイアウト変更の当日だけでなく、準備段階から協力が必要です。
いつ何をやってもらうことになるのか、どのような協力が必要なのかをわかりやすく伝え、理解を求めましょう。さらに、社外調整には注意が必要です。
業態によっては、社外の取引先や顧客にもレイアウト変更までの流れを知らせておく必要があります。
余裕を持ったスケジュール調整や管理を行うことは、クレームやトラブルの発生を防ぐためにも大事なことです。
レイアウト変更当日は、段取りよく作業する必要があります。
無駄な時間を使って作業を遅らせることのないように、各自が担当する作業の中身と時間配分を理解しておくようにしましょう。
当日の作業がスムーズに進められるかどうかは、事前準備が重要なポイントです。軽い什器や段ボールに入った備品は一旦会議室などの空きスペースに移動しておく等しておくと良いかもしれません。
また、インフラ関連やパーティションの設置工事は、業務中に行うと業務をストップさせてしまう可能性があるので、休日や夜間作業にする事をお勧めします。
なお、レイアウト変更の際には、オフィス家具など重くて大きいものから動かします。後で大きいものを動かそうと思っても、通路が狭くなると奥まで移動できません。
小さいものや軽いものは通路が狭くなってからでも十分に運べます。順番を誤って、レイアウトのやり直しにならないようにしましょう。
段ボール箱が高く積まれているとつい目が向き、先に運び込もうとしてしまいますが、中に入っているものが細かいなら、運び込む順番は最後です。箱から出して中身を運び、外に近いところで箱をつぶした方が楽な場合もあります。
レイアウト変更が済んだ後のオフィスに荷物を運び込むときの手順にも気を付けるようにしましょう。
レイアウト変更は専門業者に依頼することもできます。というよりも、むしろレイアウトの専門家である業者に依頼した方がうまくいくといっても過言ではありません。
ただし、コンセプトや理想をきちんと伝え、イメージを共有することができたらというのが条件です。
すべてを業者に丸投げしてしまったのでは、いくらプロでもイメージ通りのオフィスレイアウトにすることは難しいでしょう。
業者に依頼する場合は、何度も綿密な打ち合わせをし、どのようなオフィスにしたいのかということをしっかり伝えることが必要です。
レイアウトを依頼するときはどうしても日程と予算がポイントになりがちです。しかし、満足のいくレイアウト変更にするためには、オフィスレイアウトを専門としている業者かどうかという点が重要なポイントになります。
また、コミュニケーションがスムーズに取れるか、万が一の保証やアフターサービスがしっかりしているかという点にも注目しましょう。
業者に任せる場合の大まかな流れとしては、最初にレイアウトが必要なオフィスの基本情報を知らせ、図面を提示します。基本情報とは、オフィスを利用する人数や坪数など、図面は現状を記したものです。
電話などで打ち合わせをした後、業者からレイアウトの提案があるので、直接会ってしっかりとした打ち合わせをしましょう。
レイアウト変更時に押さえておきたいポイントについては「オフィスのレイアウト変更時に押さえておきたいポイント紹介」を御覧ください。
オフィスのレイアウト変更は、準備段階がとても大事です。
計画や調整をしっかり行い、スケジュールに沿って作業がスムーズに進めば、トラブルの発生を避けることができます。
不満がオフィスレイアウトを変えるきっかけになったのなら、変更後は満足できる内容になっていなければなりません。
オフィス内の意見をしっかり聞いたうえで変更が行われていれば、満足度の高いオフィスに生まれ変わるでしょう。