広いオフィス空間は、パーテーションを用いて適度な大きさに区切ることで使い勝手をよくすることができます。
しかし、パーテーションは種類が多く、設置場所や用途に適したパーテーションを選ぶことが不可欠です。
そこで、たくさんあるパーテーションの種類を紹介しつつ、どのような用途にどのパーテーションを選べばよいかを解説します。
移動間仕切りというと、簡単に移動させられるついたてのようなものも含むと考えることができます。
しかし、オフィスの移動間仕切りという場合には、天井か床にレールを取付け、その上にパネルを移動・設置させるスライディングウォールを指すのが一般的です。
移動間仕切りを使用すると、広い空間を必要に応じて仕切ることができます。
広い部屋を多目的に使い分けるのに適したパーテーションです。
部屋を広く使うときはパネルを収納位置に重ねて置いておき、空間を区切るときは1枚ずつ引き出して設置します。
たとえば、普段は10人収容のミーティングルーム2部屋として使い、年に数回だけパーテーションを収納して20人収用の会議室として使うという使い方も可能です。
どのような用途に用いるかによって、窓や扉付きのパーテーションも選ぶことができます。
パーテーションの材質やデザインなどは、スペースをどのように利用するかをよく考えたうえで選びましょう。
可動間仕切りとは、オフィスの変化などに柔軟に対応できるパーテーションのことです。
可動という言葉から、簡単に動かせるものを想像するかもしれませんが、実際は天井と床にしっかりと固定させて使用する為、よほどのことがなければ動かしません。
オフィスのレイアウトを変える時・ご移転をされる時に移設させる事が出来るパーテーションという捉え方をするのが適しているでしょう。
可動間仕切りにはパネル式とスタッド式の2種類があります。
パネル式はスチール製のパネルを使用しているもので、遮音性や防火性など壁としての基本性能が優れている点がポイントです。
光を取り込みたい位置には、透明ガラスやすりガラスなどを組み合わせて使用する事が出来ます。一方、スタッド式はアルミ性のパーテーションです。
スチール製と比べると軽く柔らかい素材なので、遮音性や防火性はパネル式に劣ります。
しかし、組み換えがしやすく安く仕上げられる点が魅力です。
何に使用するかによって求める性能が異なるので、必要な性能と空間の組み換えの必要性に応じてパネル式にするかスタッド式にするかを選ぶとよいでしょう。
壁面化粧間仕切りとは、建物のコア部分と統一感を持たせられるように化粧仕上げされたパーテーションのことです。
間仕切りという名前ですが、どちらかというと壁材をイメージした方がわかりやすいかもしれません。
建物によっては、通路やエレベーター周りの壁面に一般的なパーテーションを使用したのではその部分だけが浮いてしまうということがあります。
そのような場所に、空間の意匠や壁面の色に合わせた化粧仕上げのパネルを設置するのが壁面化粧間仕切りの主な用途です。
そのため、空港やショッピングモールの通路などによく用いられています。
パネルの主要部分には不燃性の高い素材が使われており、パーテーションとしての基本性能も一通り備えているので、建築条件の厳しい場所にも設置可能です。
オフィスのイメージ作りにもぴったりな高級感のあるパーテーションなので、エントランスなど人目に触れやすい場所に使用する素材としても適しています。
収納間仕切りとは、オフィス収納家具と間仕切りの役割を合わせ持った間仕切りのことです。
壁面がオフィス収納として有効利用できるようになっている点が、一般的な間仕切りと異なります。ユニットを組み合わせることで、自由なレイアウトが可能です。
表面がスッキリとしたオフィス収納を間仕切りとしても利用することで、限られた空間を有効利用できます。
設置場所に応じて書類収納用の引出しや扉付きのロッカーなど、選べる収納家具の種類も豊富です。
狭いオフィスでは一般的なパーテーションで壁を作ったところに収納家具を別に置くとスペースが狭くなってしまいます。
その点、両方の機能を合わせ持った収納間仕切りを活用すれば、合理的なスペース利用が可能です。
広いスペースを部署別に分ける際にも、使い勝手を重視した間仕切りとして活用できます。
間仕切りにはさまざまな種類があります。
また、間仕切りといっても空間を仕切ることだけではなく、それ以外の点が重視されることも少なくありません。
たとえば、必要に応じて形を変えられることが重視されているケースもあれば、常設を前提に、壁材としての美しさが問われることもあります。
ときには間仕切りであることを意識せずに収納家具として使われることさえあるかもしれません。
スペースを空間として捉えて、どのように見せたいかを考えながら、ぴったりの種類を選びましょう。