オフィス移転すると、どんな効果が期待できるのでしょうか。
もし、これからオフィス移転を考えているなら、移転することのメリットとデメリットを正しく理解することが大切です。
オフィス移転は準備にも手間や時間がかかり、家庭の引っ越しのようにはいきません。
この記事では、オフィス移転のメリットとデメリットについて解説します。
目次
オフィス移転することのメリットは主に5つ考えられます。
移転によってこれまでのオフィスにあった問題点が改善されれば、社員にとっても働きやすい環境になるからです。
バラバラだった部署が、関連性を考慮した配置になれば、コミュニケーションが取りやすくなます。
狭かった通路幅が広くなったり、デスク周りが集中しやすい仕様になったりすれば、ストレスなく働けるでしょう。
これらの変化がモチベーションアップとなり、作業効率の向上につながります。
オフィスは社員だけでなく、取引先や顧客など社外の人も出入りします。古びたオフィスが新しくなれば、それだけで話題になるでしょう。
とくに、デザイン性の高いオフィスに移転すれば、何かおもしろいことをやってくれるのではないかという期待も集められます。
オフィス移転することで、何か新しいことを始めようとしていると思ってもらえれば、取引上のプラスになるでしょう。
数年先まで見越して計画的な移転をすればコストカットにつながります。オフィスの場合、コストの多くを占めるのが家賃です。
会社の規模や業態、立地などに見合う賃料を算定し、それに合う物件に移転すれば、固定費を削減することができます。
また、移転によって導線やゾーンの配置を見直せば、余分な家具やOA機器の数を減らして、効率化を図ることも可能です。
場所を移すことで、これまでのオフィスの無駄が見つかりやすく、改善もしやすくなります。
就活生が受ける会社を選ぶ場合、第一印象は大きな決め手になります。
少なくとも老朽化したビルや、物があふれかえってごちゃごちゃしたオフィスによい印象は持たないでしょう。
企業を見た目だけでは判断できないとわかっていても、比較対象がある場合は、印象のよい方に流されてしまいがちです。
第三者から見た印象も考慮して新オフィスを選ぶことが、リクルーティングを優位にし、よりよい人材の確保につながります。
オフィスの場所をそのままにして、レイアウトだけを変えるということは可能ですが、大がかりなことはできません。
オフィスの場所を変えることで、ゾーニングの見直しも含めた効率的なレイアウトが可能になります。
ゾーンの配置と通路幅の確保は、ストレスなく働くうえでとても重要なポイントです。
人数に見合うスペースの確保できていない場合には、新しい物件を選ぶことで必要な広さも確保できます。
【移転メリット例】
・ずっと狭いオフィスだったので広いオフィスになり働きやすくなった。
・駅から近いオフィスになったので通勤時間や訪問にかかる時間が短くなった。
・リフレッシュスペースが出来たので、仕事中にもON・OFFを上手く切り替えられるようになった。
・オフィスが綺麗になり気持ちよく働けるようになった。
オフィス移転のメリットを活かすためには、移転の目的を明確にすることが大事です。そのためには、これまでのオフィスにどのような問題点があるのかを洗い出す必要があります。
そして、その課題が移転によって解決できるものなのかを考えなければなりません。
移転によって解決できるということがはっきりすれば、どこにどのような物件を探せばよいかということが自ずと見えてきます。
また、オフィス移転はタスクが多く、同時進行で行わなければならないことも少なくありません。どこまで自分たちで行うかということも最初に考える必要があります。
オフィス移転やレイアウト設計の専門家に任せると費用はかかりますが、中身はプロの仕事です。
導線や作業効率を考慮したオフィスに仕上がり、ブランディングやリクルーティングの効果も高まります。
オフィス移転では、社内で行わなければならない作業も多く、役割分担もしなければなりません。通常の業務と並行して行うことですから、プロに任せるべき点は任せた方がよいでしょう。
オフィス移転でのデメリットは主に2つ考えられます。
オフィス移転はメリットばかりではありません。デメリットとはいえないまでも、注意が必要な点はいくつかあります。
まず、移転するためには、新しいオフィスを借りなければなりません。一時的には旧オフィスと新オフィスの両方で作業を進めなければならないので、出費が増加します。
新オフィスに移転するのを機に、家具やOA機器を新しくすることもあるでしょう。コストを意識しなければ、お金がかかり過ぎてしまいます。
オフィス移転は、作業の流れだけでなく、金銭面についてもしっかりとした計画と管理が必要です。
たとえば、業態や人数などを考慮せず、理想だけを追い求めてしまうと、コストがかかり過ぎて、回収の目途が立ちません。ある程度お金をかけるポイントを絞ることも大事でしょう。
次に考えなければならないのが、社員にとってよい移転かどうかという点です。
単純にオフィスを移転させれば、誰にとっても働きやすいオフィスになるなどと考えてはいけません。
ときにはオフィス移転がモチベーションを下げる原因になってしまうこともあります。
たとえば、都心部にオフィスを移すと通勤の便がよくなると考えるのが一般的です。
しかし、車通勤の社員が多い会社ではどうでしょうか。駐車場の確保が難しく、道も混みやすくなります。
昼は外食する社員が多いオフィスでは、手頃な値段で食事できるところがなくなることがデメリットになるかもしれません。
オフィス内は快適に働ける状況になっても、物件の立地を誤るとマイナスに働くこともあるのです。
さらに、オフィス移転をしても思ったような効果が現れないことがあるという点にも注意が必要です。
これには理由が2つあります。
1つは予測が甘すぎたこと、もう1つはメリットの活かし方が不十分だったことです。
新オフィスへの期待だけで移転を決行するのは危険すぎます。オフィスを移転することでどんな変化が起こるかという予測がしっかりできていないと、物件選びの時点で失敗してしまうでしょう。
日常の業務と並行してやることが多いため、時間が足りなくなると、じっくり時間をかけてやるべきところに時間をかけられなくなることもあります。
移転準備の段階で社員に負担をかけすぎると、移転のメリットよりもデメリットを大きく感じることになるかもしれません。
【移転デメリット例】
・人気エリアになった為、通勤・ランチも混み合っている。
・家賃が高くなり、会社としての利益は下がった。
オフィス移転の検討は、メリットだけでなく、デメリットについても理解してから始めることが大事です。
オフィス移転に伴うデメリットは、注意して臨めば回避できるようなことがほとんどだからです。
まずは、メリットを活かすときと同様、これまでのオフィスの問題点をはっきりさせましょう。
それと同時に、これまでのオフィスのよかった点についても洗い出すようにします。新たなオフィスに移ることで、課題を解決できるかを考えるのと同時に、これまでの利点を失わずに移転できるかということを考えることが重要です。
また、経営面のメリットだけを重視したオフィス移転は失敗しやすいということも覚えておきましょう。
オフィスで働く人やオフィスを訪れる人のメリットも考慮することが大切です。
オフィス移転のプランニングは、全体的なバランスを考えながら行う必要があります。内部の目だけでオフィス移転を検討すると、どうしても視点が偏りがちです。
オフィス移転やレイアウト設計を専門とする業者に、検討段階から加わってもらうとよいでしょう。
他社のオフィス移転を手掛けた経験を自社の移転に活かしてもらうことで、失敗を防げます。
オフィス移転には多くのメリットがあります。しかし、メリットはデメリットの裏返しです。オフィス移転の目的を見誤ると、デメリットが大きくなってしまうこともあります。
例えば「移転を機にフリーアドレスにしたが上手く機能できていない。」「集中スペースを作ってみたが思ったより利用者が少ない。」などの失敗にも繋がります。
メリットの大きいオフィス移転にするためにも、下準備を徹底し、慎重に計画することが大切です。